鼠径部ヘルニア体験談2023〔Ⅲ〕〜中後編〜

得する知識

『鼠径部ヘルニア体験談2023〔Ⅱ〕』の続きになります。

手術翌日(12月29日)

痛みの強さはほとんど昨夜と変わらず。お昼前になり、歩行の練習をするということで、足にずっとつけていたポンプを外してもらいました。この足のポンプ、結構厄介で、おそらくベッドの足下にポンプがあったのだと思いますが、空気で足首からふくらはぎあたりを加圧する物なのですが、起動音が30秒に1回、10秒間ほど鳴り続けるので結構うるさい。空気を送る線が繋がっているので、足を自由に動かせないし、膝下をほとんど覆われているので暑いしで、ほんとにこれいるのかな感はありました。血流が悪くなり血管が詰まってしまうのを防ぐためなのはわかるのですが、自分で足を動かしていた方がよっぽど良いのでは?というのが正直な感想です。

さて、リハビリ歩行の時間になり看護師さんがきてくれました。お腹に力を入れると激痛が走るので、ゆっくりゆっくり体を起こしてもらい、上半身の着替えを行いました。点滴が入ったまま着替えるのは結構大変でした。やっとのことでベッドの横に腰掛ける事ができ、下半身の着替えを行いました。ここまでずっと手術着を着ていて、入院してからシャワーを浴びることもできなかったので、着替えるついでに、体を拭きました。私の場合は体を拭くタオルは持ってきていなかったのですが、汗拭きシートのようなものがカバンに入っていたのでそれを使いました。

着替えが終わり、いざ立ち上がって見ると、お腹を伸ばすことができず、腰が折れ曲がったおじいちゃんのような状態でしか姿勢を維持できませんでした。一応点滴をかけておく棒のようなものが、歩行補助機も兼ねていたので、支えにする事ができたのですが、間髪入れず看護師さんに、さぁ行きますよと言われ、歩き始めると、歩幅が全く広げられず、超ノロノロ歩行で病室を出ました。

モノタロウ(新鋭工業・点滴スタンド)より引用

歩行練習では看護師さん同行のもと病棟を1週して病室に帰ってきました。ホントにフラフラで、バランスを取ろうにもお腹に力を入れると痛みが強くなり、とても辛い状況でした。顔では平静を装っていましたが、右手で補助機をしっかり掴み、左手でお腹をずっと押さえて歩き続けました。

立つことや歩行することに腹筋がこれだけ使われていたのかと痛みで実感でき、改めて体幹の重要性を再認識できたリハビリとなりました。

一応歩けたという事で、看護師さんから歩行の許可をもらう事ができました。よって、トイレにも行くことができるということで、点滴を外すことになりました。

このまま点滴はつけたままでも良いと言われましたが、点滴の痛み止めがあまり効いてる感じがしていなかったので、結局外してもらうことにしました。点滴を外す時は一瞬チクっと痛みはありますが、点滴を固定していた強力粘着テープを剥がすときのほうがよっぽど痛かったです。

実は点滴の痛み止めを使いながら、ロキソプロフェンという痛み止めの飲み薬も処方してもらっていたのですが、こちらの方が点滴よりも痛みがおさまる感じがありました。ロキソプロフェンは胃に結構負担をかけるということで、胃薬と一緒に飲んでいたのですが、強い薬という事もあり、使用頻度が限られ、1日2回くらいしか服用できず、効き目が切れるとまた痛みが強くなるというのを入院中はずっと繰り返していました。

この日は夕食から提供され始め、特に制限などは無かったので、1日目と同様の食事が始まりました。食後の痛み止め(カロナール)も処方されました。しかし、この痛み止めは、私にはほとんど効きませんでした。基本的にはロキソプロフェンをずっともらっていました。

また、検査の頻度も減っていたので、自由な時間が増えたのですが、痛みは相変わらず続いていて、できればジッとしていたいと言う感じでした。結構病室は乾燥しているので、点滴を外してしまうと喉が渇くので、飲み物は準備しておいた方が絶対に良いです。私の場合は、500mlのお茶を家から持って行ったのですが、初日に飲み干してしまいました。幸運にも手術中に待機していてくれた家族が500mlのお茶を持ってきてくれていたので助かったのですが、もう1本ぐらい余裕があった方が良かったかもしれないです。痛みを我慢して売店に買いに行ったり、ナースステーションにはウォーターサーバーもあったので、最悪それで乗り切れるとは思いますが、初日の元気な時に用意しておいた方がよっぽど楽だと思います。

そして、今回の入院で最も誤算だったのが首回りと背中の筋肉痛が酷かったこと。手術日当日はお腹から下がほとんど動かせない状態だったので、腕を使って体をずらしたり体勢を変えていたりしたのですが、この時、首にもかなり力が入っていたのだと実感しました。この日の夜からは、お腹の痛みに加え、動かしたくないほど首と肩から背中にかけての痛みに苦しむことになります。飲み薬のロキソプロフェンを飲むと、首周りの痛みも少しマシになるのも相まって、事あるごとに痛み止めをもらっていました。

この首周りの痛みが、手術中の体勢に原因があるなら改善しようがないですが、手術後の体勢を変える動きに原因があるとしたら、改善方法はあると思います。それは、なるべく自分の力で体勢を変えようとしないこと。病院のベッドは大体電動ベッドを使っていることが多いので、足や上半身は機械の力を使って体勢を変えることができます。また、看護師さんに手伝ってもらって体勢を変える事もできます。今回の入院中も、体勢を変えたかったら手伝うから言ってね、と看護師さんに何回か言ってもらえました。自分で頑張らないことが術後に必要のない痛みを出さないためにも重要ですね。

でも、今回お世話になった病院では、電動ベッドのリモコンが足元にかけられており、術後の痛みの状態では自分で取る事は不可能でした。そこで、看護師さんに、手の届くところにリモコンを移動してもらって良いですか?と頼みました。すると、術後直後は、お腹に負担がかかるため、上半身を上げ過ぎるのは良くないので、自分では動かさないように、とのことでした。病院の電動ベッドは、基本的に自分では動かさない方が良いのかもしれませんね。そのために、足元にリモコンが設置されているのかもしれません。とにかく、自分でやろうとせず、入院中は看護師さんを頼って対処するのが善ということです。入院中の対処のプロに任せましょう。

退院日(12月30日)

この日は朝食のみが提供されました。残さず全部食べましたが、食欲はあまりありませんでした。食後の痛み止めも飲んでいますがほとんど効かず。

痛みはだいぶ治ってきましたが、ロキソプロフェンの痛み止め無しではまだ歩くことが厳しい感じでした。首周りの痛みがかなり強く、憂鬱だったのもあります。

午前中の10時に退院予定だったので、それまでに看護師さんが退院時の説明をしにきてくれたり、執刀医の先生がキズの様子を診にきてくれたり、退院後の処方薬を薬剤時さんが説明しに来てくれたりと結構忙しかったです。その間をぬって、体にムチを打ち退院の支度をゆっくりですが進めていきました。

いよいよ10時になり、帰る準備を終えて病室で待っていると、担当医の先生が来てくれて、手術からずっと付けていたヘソのガーゼを取ってくれました。この時初めて腹腔鏡が入っていた跡を見たのですが、ヘソに大きめのカサブタがついていた感じでした。特に外傷に問題がなく、先生もキレイな傷跡だと言っていくれたので安心しました。

この時気づいたのですが、何もしなくてもお腹に痛みがあったのは、このガーゼが原因でした。ワタのようなものを丸めてヘソの傷口に当て、その上からガーゼをテープで留めていたのですが、結構傷口を圧迫していたのではないかと思います。このガーゼを取ってもらった時に、痛みが少し引いた感じがありました。相変わらず、動いた時の痛みは変わらずでしたけどね。

この時、担当の先生に首周りの痛みを相談して、貼り薬を処方してもらえないかと相談したところ、ふつ返事で快諾してもらえました。貼り薬って結構高いんですよね。ドラッグストアで買うと1週間分が数千円もするのですが、入院費に込めることができれば、高額医療費制度の中に入るので、格安で医療用のシップをもらう事ができます。何事も我慢せず、相談してみる事が重要ですね。

看護師さんが、病室まで迎えに来てくれて、ナースステーションで待っていた家族のもとに案内してくれました。貼り薬を追加した事もあって、処方箋の変更に15分ほど待ちましたが、看護師さんが処方薬を持ってきてくれて、総合受付の会計まで移動しました。会計は5分くらいで直ぐに終わり、家に帰る事ができました。帰る1時間ほど前にロキソプロフェンをもらっていたので、痛みは軽くなっていましたが、怖さも相まって歩幅が30cmくらいでしか歩けず、駐車場まで歩くのも精一杯でした。

帰り道に、何か食べたいものはあるかと聞かれましたが、全く食欲がなく、何もいらないと言いました。入院中はホントに運動量が少なかったのが原因ですかね?痛みがお腹にあったというのも一つの要因かもしれません。でも、その日の夜には食欲が出てきて、いつもの1食分のご飯を食べれるようになりました。

今回はここまでです。続きは鼠径部ヘルニア体験談2023〔Ⅳ〕〜後編〜です。

コメント

タイトルとURLをコピーしました