こちらの記事は『鼠径部ヘルニア体験談2023〔Ⅰ〕』の続きになります。
入院1日目(12月27日)
3泊の入院中に車を置いておくことができなかったため、家からは病院の送迎バスで病院に向かいました。
持って行ったものは、2泊分の着替えと寝間着、暇つぶしのためのipadとイヤホンくらいで、荷物はリュック一個にまとまりました。
13時から入院の予定だったので、12時40分頃に病院に到着し受付を済ませ、13時に入院病棟のナースステーションに向かいました。10分くらい待ってから、病室に案内されました。もともと大部屋を希望していたのですが、自分のベッドは窓側だったので、明るくて良かったなと思います。
入院初日という事もあり、いろいろ説明があるのかと思いきや、入院に関する説明はほとんどありませんでした。その代わり、手術のための準備がいくつかありました。まず、手術着のサイズ合わせがあり、手術後の血流を良くする加圧ストッキングのサイズ合わせ、足の甲の脈拍ポイントのマーク付け、腹腔鏡を通すためのヘソの消毒など1時間ぐらい看護師さんに準備を進めてもらいました。
手術後は点滴を1日くらい入れている状態なので、膀胱が張ってしまわないように、排尿の量を記録するのですが、そのための計量カップが置いてある特別なトイレを教えてもらい、初日の説明は終わりました。
その後、執刀医の先生や、麻酔の先生、管理栄養士の方が挨拶に来てくれましたが、ほぼほぼ暇な時間が続きました。
この空き時間で、以前から必要と言われていたT字帯というものを買いに行きました。病院の売店に売っているとのことだったので、そこまでテクテク歩いていき、どこかなーと探していると、売店のおばさんが声をかけてくれ、置いてある場所を教えてくれました。今思えば、この時に飲み物を買っておけば良かったなと後々後悔しました。
T字帯とは、手術の時に付ける下着のようなもので、作りはとてもシンプルで、着た感じはふんどしのようなものです。前回の手術では使わなかったので、今回初めて使用しました。
着方は手術室担当の看護師さんが丁寧に教えてくれました。
アメジストHPより引用
18時ごろに夜勤の看護師さんが来てくれて、血圧を測ってくれたのですが、ちょっと血圧が高かったようで、緊張してるかもね?と言われましたが、私自身はあまり緊張を感じていなかったので、そうかもしれないですねと笑って取り繕っておきました笑。
1日目は夕食が出ました。味はやはり薄めで量も少なめでしたが、ほとんど動いていなかったので十分満足できました。
夕食を食べた後は、血圧チェックが1回あっただけで、何もやることが無かったので、ずっと動画を見ていました。21時からは絶食を指示されていましたが、何も食べる物を持っていなかったのと、お腹も減っていなかったので全然大丈夫でした。
22時が消灯でしたが、もともと夜に仕事をしていた事もあり、全然眠りにつけませんでした。また、同じ部屋の患者さんの寝息や、部屋がかなり乾燥していたのが気になり4時間ほどしか眠れませんでした。もし1人部屋にしていたら、もう少しゆっくり休めたのかもしれませんが、1日1万円以上するのはちょっと…。
手術当日(12月28日)
6時頃に朝の血圧測定があり、その後手術を担当してくれる先生方が挨拶に来てくれました。朝食は無く、飲み物も7時以降は禁止されていました。手術は9時からだったので、8時頃に手術室担当の看護師さんが、T字帯や手術着、加圧タイツの付け方を教えに来てくれ、ゆっくり準備することができました。
手術前は少し緊張していましたが、今回は2回目の手術という事もあり不安はほとんどありませんでした。
手術の時間になり、病室に看護師さんが来てくれて、手術室まで案内してもらいました。手術室の前で家族に一瞬だけ会う事ができました。今回は、全身麻酔で手術をするので、自分の意識がなくなってしまうため、手術中は家族に待機してもらっていました。
手術室の前室で、手術の受付をして、名前と手術部位の確認をして、手術室に入りました。
手術室の真ん中にあるベッドに横になり、お腹に大きいタオルをポンっと置かれ、両腕を少し広げ、左腕に点滴を直ぐに入れてもらいました。麻酔の先生が、前回(10年前)は麻酔の針が痛かったと思うけど、今回は点滴の針を刺すのが一瞬だけチクっとするだけだよ、と安心させてくれました。じゃあ、今から麻酔入れるね、と言われ、大きく深呼吸を3回してねと言われ、2回まで吸って吐いてをしたところで、意識がなくなりました。この間、手術室に入ってから2分くらいの出来事だったと思います。手際の良さにただただ感銘を受けました。
手術後、意識が戻ったのは感覚としては一瞬でしたが、実際に手術時間は2時間半くらいだったとのことでした。意識がはっきり戻った時には、ナースステーション(スタッフステーション)にある術後監察室(ICU)に移動された後でした。この時はお腹全体に強めの痛みと、喉がガラガラする感じが印象に残っています。痛み止めはもちろん服用してもらっていたのですが、それを上回る痛みがありました。痛みは鼠径部よりも腹腔鏡を入れていたヘソ周りに集中してありました。
状態が安定してきたということで、17時頃に元いた病室に移動しました。その後もずっと痛みが続いていたため、引き続き点滴で痛み止めを入れてもらいました。
その日の夜勤の看護師さんに引き継ぐというときに、尿意はないかと聞かれ、かなり点滴を長時間入れているため膀胱が張ってしまうので、もし尿意がないのなら管を入れて出さなきゃならないと言われました。その時点では、その日の夜中まで様子を見ることになりました。この時は尿意よりも、お腹の痛みの方が強く、それどころではありませんでした。
手術終了後からずっと両足にポンプのような物をつけられていたのもあって、お腹の痛みもあり、ほとんど下半身が動かせず、少し体勢を変えたい時も胸から上を使って動くという状態でした。この動きが後々大変な事態に発展してしまいますが、この時はそれが精一杯できることの全てでした。
この日はベッドに横になっている事しかできず、看護師さんが1時間に1回くらい検査と様子を見にきてくれていたのですが、ただただ痛みがあるの一点張りの患者でご迷惑をかけました汗。
そして0時近くになった頃、痛みにもだいぶ慣れてきていて、尿意がある事を看護師さんに伝え、尿瓶(しびん)という寝たままでも排尿できるケースのようなものを受け取ったのですが、普段仰向けに寝た状態で排尿することなど皆無だったため、なかなか排尿できませんでした。1時頃に看護師さんが様子を見にきてくれた時に、排尿できないことを伝え、生まれて初めて尿道に管を通すことになりました。
これは男性の看護師さんが行ってくれたのですが、私はコンタクトを外していたのと消灯時間を過ぎていて部屋が真っ暗だったという事もあり、全く顔を認識できなかったのですが、こんなに嫌な仕事を手際よく行ってくれたのでとても感謝しています。イメージでは管を通すのは凄く痛いんだと思っていたのですが、やはり管を入れる時と抜く時は痛みはありますが、終わった後は全然痛みは残らず、むしろ排尿できたスッキリ感の方が勝っていました。
手術から24時間は2時間おきくらいに検査(血圧、体温、SpO2 )と点滴の状態チェックが入るので、全く熟睡はできませんでした。痛みもそれなりにあったので、点滴の痛み止めをずっと入れてもらっていました。その後、早朝にまた尿意を催し、今度こそ管は通したくないと思い、尿瓶をもらい格闘すること20分ほど…やっと出すことができました‥。ちなみに点滴を打っている間は便意は全く感じることはなかったです。
入院中で一番辛かったのは、やはり手術をした日の夜から明け方のこの時間でした。
今回はここまでです。続きは鼠径部ヘルニア体験談2023〔Ⅲ〕〜中後編〜です。
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