ウナギのMiryoku. 〜栄養カガクを生活に〜

得する知識

年が明けて、1ヶ月半が経ちましたが、最近は気温が上がったり雪が降ったりと、よくわからない天候に見舞われていますね。体調を維持するのが大変ですね。

そんな中、Tomoは初めてうなぎ屋専門店に行き、おいしいうなぎを食べてきました。それも、年始に家の近くにうなぎ屋さんがOPENして、毎日のようにその店の前をウォーキングで歩いて気になっていたので、念願かないました。

土用の丑の日(ドヨウノウシノヒ)とは

皆さんは ”土用の丑の日” といわれたらどれぐらいの時期を思い浮かべますか?私同様、多くの方が夏のイメージが強いのではないでしょうか。しかし、土用の丑の日は1年に4回以上あるというのです。

”土用” を土曜と思い込んでいた私の話は置いといて、土用というのは期間であり、年に4回あります。土用は、季節の変わり目の期間を指す言葉で、立春、立夏、立秋、立冬の前の約18日間が土用の期間になります。

”丑の日” の丑(うし)は干支の丑であり、12年で干支が1周するのと同様に、12日間でも干支が1周するようにそれぞれの日にちに干支が割り振られています。つまり、12日間隔で丑の日はおとずれます。

2024年の土用の丑の日は次のようになっています。

〈冬の土用の丑の日〉2024年1月26日

〈春の土用の丑の日〉2024年4月19日、5月1日

〈夏の土用の丑の日〉2024年7月24日、8月5日

〈秋の土用の丑の日〉2024年10月28日

2024年は土用の丑の日が6日もあるのですね。

うなぎの旬

うなぎの旬は夏と晩秋です。なぜ2回あるかというと、天然のうなぎと養殖のうなぎで時期が異なるからです。

天然のうなぎは、水温が10℃を下回ると冬眠してしまうそうです。なので、冬眠の準備をしている時が、一番脂がのって美味しいのだそうです。

では、養殖のうなぎはというと、うなぎが一番食べられる時期、そう、夏の土用の丑の日に合わせて育てられているので、旬が夏になるようです。

しかし、近年では、養殖の技術が上がり、水温管理を徹底することで、いつでも美味しいうなぎが食べられるようになりました。

それでは、なぜ天然うなぎの旬と外れた夏にうなぎが食べられるようになったのか。諸説あるようですが、平賀源内説とうなぎの栄養説が有力な説になっているといわれています。

昔、夏のうなぎ屋は時期ハズレで閑散としていたそうです。何か策はないかとうなぎ屋が発明家の平賀源内という人物に相談したところ、提案されたのが、土用の丑の日には”う”のつくものを食べると縁起がよいという宣伝文句を作り、その張り紙を店の前に掲示するという物でした。それが現代においても広く知れ渡ったそうです。

もう一つの説として、うなぎの栄養が夏バテに効くというものです。ではうなぎにはどのような栄養が含まれていて、食べることでどのような効果があるのでしょうか。

うなぎの栄養素

うなぎの主な栄養素は以下のとおり

・ビタミンA

うなぎには1匹で1日に必要なビタミンAを摂取することができるほど豊富なビタミンAが含まれています。

ビタミンAは鼻や喉などの粘膜の材料となり、細菌やウィルスの侵入を防ぐ働きがあります。したがって免疫力をアップしたり、風邪を予防する効果があるといわれています。土用の丑の日のような季節の変わり目で、体調管理が難しい時にビタミンAが多く含まれているうなぎを食べることは理にかなっているのかもしれません。

食べ合わせとして良いとされているのが油脂です。ビタミンAは油に溶けやすい脂溶性ビタミン(しようせいびたみん)であるため、油を一緒に摂ることで吸収力が高まります。うなぎの場合、うなぎ自体に良質な脂が多いため、豊富なビタミンAを吸収するのにはもってこいの食材となります。

・ビタミンB1

ビタミンB1は糖質の代謝や疲労回復に働く栄養素です。体を動かしたり運動することで、体内に乳酸という物質が溜まるのですが、ビタミンB1がこの乳酸を分解してエネルギーに換える役割をしています。

また、もう一つ大事な役割として糖質の代謝があります。糖質はしっかり代謝していかないと、脂肪に変わり体に蓄積されていきます。またビタミンB1が不足することで、糖質をエネルギー源とする脳への悪影響があり、頭の回転が悪くなるようです。イライラしたりストレスを感じたり、体のだるさがあるときは、ビタミンB1が不足しているのかもしれません。

食べ合わせとしては、エネルギー源となる糖質が相性バッチリです。鰻丼や鰻重は理にかなった食べ方ですね。

うなぎには夏バテ効果があるという所以は、このビタミンB1にありそうですね。カラダのエネルギーを生み出す基となるビタミンB1が豊富なことで、滋養強壮食としてうなぎが昔から食べられているワケが納得できますね。

・EPA、DHA

DHA(ドコサヘキサエン酸)、EPA(エイコサペンタエン酸)は、オメガ3脂肪酸の1種で、青魚に多く含まれている脂です。一般的に体に良いアブラとして知られており、血中の中性脂肪や悪玉コレステロールを低下させる働きがあるといわれています。

血液をサラサラにしてくれるアブラですが、体内で作ることができない ”必須脂肪酸” として、食事から摂取しなければいけない脂質です。

また、血液がサラサラになることで生活習慣病や脳梗塞などを予防するだけではなく、脳の老化や痴呆症の改善にも効果が期待される栄養素です。

脂を摂取しているのに、健康になるって、イメージしずらいですね。もちろん不健康になるアブラもあっるので、しっかりと知識をつけていくことが重要ですね。

土用の丑の日にうなぎを食べることのメリット

日本では “夏” の土用の丑の日にうなぎを食べるイメージが強いですが、春夏秋冬の土用(季節の変わり目)にうなぎを食べるメリットは、栄養学の観点からしても大きいのではないでしょうか。

特に季節の変わり目の温度や湿度の変化で、体調を崩すことが多い人は、年4回、土用の丑の日にうなぎを食べると決めてみても良いかもしれません。

うなぎの栄養素は今回紹介できなかった、ビタミンB2やビタミンD、カルシウム、鉄なども多く含まれていて、栄養価がとても高い食べ物です。なので、定期的に食べることで、免疫力を維持し、心身ともに強い身体を作り、さらにストレスに強く疲れにくい、活力に満ちたカラダを手に入れられるかもしれません。

最後に

今回の記事を書くにあたり、私自身、うなぎがこんなにも魅力のある物だとは思いもしませんでした。なんでうなぎは夏に食べられることが多いのだろう?土用の丑の日ってなんだろう?という疑問を解消したくて書き始めた記事ですが、うなぎの栄養価の高さに驚き、調べてみて良かったなと純粋に思いました。

Tomoは春夏秋冬の土用の丑の日にウナギを食べたいと思っています。

今回、記事に載せた栄養素だけでも、知っていて食べるのと知らないのとでは、うなぎの魅力とおいしさは変わってくるのかな思います。

次回の土用の丑の日は4月19日です!

参考文献・サイト

テレ東 虎ノ門コラム「うなぎの旬はいつ?天然と養殖の違いや土用の丑の日に食べる理由を解説!

総合南東北病院 広報誌 健康倶楽部/2011年7月号  DHA・EPAのすぐれた働き

うなぎの兼光 うなぎの栄養について|うなぎは健康と美容に良いって本当?

新星出版社『日本の食材図鑑』、『世界一やさしい!栄養素図鑑』

NHK出版『からだのための食材大全』

うなぎの成瀬HP

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